宣教区長挨拶

小畑光弘(神岡キリスト教会&下呂聖書教会 牧師)

 

 

「与えられている神さまからの大切な使命」

 

     2011 年3 月11 日、東日本大地震が起きました。そのとき私は神学校の卒業式のため千葉にいましたが、あんなに激しい地震を体験したのは生まれて初めてでした。その翌月から北海道の教会に赴任する予定でしたが、交通網が遮断されたため何もできず、途方に暮れていました。引越しの荷物も送ることができず、神学校に特別に預かっていただいて札幌へと移動。わずかなものだけで約1 ヶ月、生活しました。ダンボール箱で棚を作り、アイロン台を食卓代わりにしてご飯を食べていたことを思い出します。でもその間、多くの方々が私たちを助けてくださいました。

   

    今年2024 年の元旦に起きた能登半島地震。復興のためには今なお多くの課題があり、時間がかかるようです。だからぜひあなたも想像していただきたいのです。「疲れて帰ってきても、安心して寝食できる家がない!」この状態で心も体も癒すことができるでしょうか。けれどもそのときに差し出された、優しい愛の眼差しとあたたかい手を、人はいつまでも覚えているのです。

 

    簡単なことではないでしょう。でも1 人1 人の思いを受け止めて、前に向かって行動し、具体的な形に現わしていくことが、私たちに与えられている神さまからの大切な使命だと思います。宣教区の皆様と、その実現のために祈り、ともに考え、励んでいきたいと願わされています。

 

「まことに、あなたがたに言います。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、それも最も小さい者たちの一人にしたことは、わたしにしたのです。」(マタイ25:40)